腎盂・尿管がんは、上部尿路がんの中でも比較的稀な疾患ですが、尿路内の色々な場所に多発しやすく、腎盂と尿管、膀胱に同時にがんが出来ることも少なくありません。
腎盂・尿管の壁はとても薄いため、がんが浸潤して周囲に広がりやすく、比較的早期にリンパ節や肺、肝臓、骨などに転移して進行がんの状態で発見されることもあります。
症例数が少ないこともあり、情報量が少ないがんの一つとなっており、医療機関選びに苦労される患者さんも多いようです。
また、再発性の膀胱がんは、腎盂・尿管がんを考慮に入れて検査をすべきと言われており、そうした意味で腎盂・尿管がんの治療を積極的に行っている病院を探すことは、膀胱がんを再発された方にとっても、意義があるものと思われます。
このページでは、腎盂・尿管がん(上部尿路がん)の名医と言われている全国のドクターを掲載していますので、参照いただけたらと思います(医師の選定にあたっては、この分野のスペシャリストの先生にアドバイスをいただきました)。
なお、掲載している医師が異動している場合がありますので、診療を受けられる際には、必ず病院にご確認ください。
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有効と思われるキーワード:「温存」「屈指」「第一人者」「ロボット支援手術」「レーザー」「内視鏡」など。
腎盂・尿管がん治療の名医(東日本)
<東京都> 藤井靖久 医師 東京医科歯科大学病院 地域がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 がんゲノム医療拠点病院 患者さんごとに全スタッフの力を合わせて至適な治療法を選択しています。また、患者さんの十分な納得のもとに、患者さんそれぞれに適した診療を行うよう努めています。 1988年東京医科歯科大学医学部卒。 関東中央病院泌尿器科医員、中野総合病院泌尿器科医長等を経て現職。泌尿器がん、泌尿器内分泌学、ミニマム創手術を専門としており、腎盂・尿管癌診療ガイドライン策定にも携わったドクターです。同院では、泌尿器科臨床の多くで世界トップレベルの医療を提供できる診療体制をとっており、患者さん個々に適した低侵襲手術を提供すべく、泌尿器がんに対して、ロボット支援手術(ダビンチ手術)、または同科で開発したミニマム創内視鏡下手術(小さい1つの切開創から、内視鏡を挿入して臓器を摘出する手術)を施行しています。呼吸・循環障害など合併症を持つ患者さんに対しては、関連する他科との緊密な連携のもとに診療にあたっています。 住 所 東京都文京区湯島1-5-45 |
<東京都> 木村高弘 医師 東京慈恵会医科大学附属病院 地域がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 がんゲノム医療連携病院 「前立腺癌を中心に泌尿器癌全般の手術、薬物療法を専門にしております。わかりやすい説明を心がけております」と語る泌尿器の名医。 1996年東京慈恵会医科大学医学部卒。 米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学等を経て現職。泌尿器悪性腫瘍、腹腔鏡手術、ロボット支援手術を専門としています。腎がん、膀胱がん、前立腺がんなどの悪性疾患に対して専門的な診療を行っており、それぞれの疾患に対して、複数かつ新しい治療選択を提示することで、患者さんひとりひとりのニーズに合った治療を提供できるよう心がけています。腎盂癌・尿管癌に対する一般的な術式は腎尿管全摘で、腎摘除を腹腔鏡手技で行っています。同院では、日本泌尿器内視鏡学会が定めた泌尿器腹腔鏡技術認定制度の審査を受け、泌尿器科領域における腹腔鏡手術に関する技術を認定された医師のもとで、全ての腹腔鏡手術を行っています。 住 所 東京都港区西新橋3丁目19-18 |
<神奈川県> 菊地栄次 医師 聖マリアンナ医科大学病院 地域がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 がんゲノム医療拠点病院 丁寧な医療を日々心掛けており、チームワークの充実・強化を進め、より安全で安心、信頼される腎泌尿器外科チーム医療を心掛けています。 1994年慶應義塾大学医学部卒。 米国メモリアルスロンケタリング癌センター留学、慶應義塾大学医学部泌尿器科准教授等を経て、現在同院の腎泌尿器外科部長を務めています。尿路上皮癌(膀胱がん、腎盂・尿管癌診療)のエキスパートで、腎盂・尿管癌診療ガイドラインの策定にも携わっています。菊地医師は同院で膀胱外来を開設し、早川望医師と二人体制で膀胱がん、腎盂・尿管がんの治療を行っています。同院は泌尿器科がん診療に関して、経験豊富なスタッフを揃えており、最先端の診療ツールを積極的に導入し泌尿器科診療にあっています。高齢やリスクが高く、他院では手術を断られた症例でも、積極的にそして安全に手術を行っています。 住 所 神奈川県川崎市宮前区菅生 2-16-1 |
<茨城県> 西山博之 医師 筑波大学附属病院 地域がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 がんゲノム医療連携病院 安全な医療を第一に、丁寧な説明と同意、患者さんの生活の質(QOL)の重視、及び先端医療の提供を基本姿勢として日々の診療に当たっています。 1989年京都大学医学部卒。 インペリアル癌研究基金(英国)留学、京都大学大学院医学研究科器官外科学(泌尿器科)准教授等を経て現職。英国留学時代に尿路上皮癌の研究に従事。京都大学泌尿器科では腹腔鏡技術認定医として活動するとともに臨床、研究、教育に従事してきました。同院は泌尿器悪性腫瘍の領域では、国内トップレベルの医療機関であり、尿路性器癌(腎癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、陰茎癌など)の分野において専門的な診療を行っています。基礎研究の分野では、「尿路上皮がんの診断・治療の分子生物学的・免疫学的研究、人工知能を用いた膀胱鏡画像解析の研究」等の研究を進め、日々、新規治療法の開発にも取り組んでいます。 住 所 茨城県つくば市天久保2丁目1番地1 |
<静岡県> 麦谷壮一 医師 すずかけセントラル病院 腎盂・尿管がんの内視鏡手術を約20年間研究してきた実績を持つ名医です。腎臓や尿管を全摘出する外科手術が困難な患者(合併症のある人や高齢者)に対して内視鏡治療を行っています。 1983年浜松医科大学医学部卒。 聖隷三方原病院泌尿器科部長、浜松医科大学医学部泌尿器科講師等を経て現職。腎盂・尿管癌治療のスペシャリストとして、この分野の医師からも一目置かれる存在です。同センターでは、体外衝撃波結石破砕術で治療困難な腎盂・尿管癌に対して、細い内視鏡(尿管鏡)とレーザーを用いた内視鏡治療を行っています(この治療は全身麻酔で行いますが、腹部を切開して行う開腹手術ではありません)。担当医である麦谷医師は、平成11年に「難治性尿管結石に対する細径内視鏡下レーザー砕石術」にて浜松市医療奨励賞を受賞しています。また、同院では腎盂・尿管癌の治療にも、癌の大きさや性質(異型度)によって内視鏡治療を行っています。 住 所 静岡県浜松市南区田尻町120-1 |
腎盂・尿管がん治療の名医(西日本)
<大阪府> 東治人 医師 大阪医科薬科大学病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連係病院 臓器を摘除せずに治す「大阪医大式レーザー治療とアジュバント化学療法を用いた腎盂尿管癌の臓器温存治療“OMC-LRV”」を行い、良好な結果を得ています。 1988年大阪医科大学医学部卒。 ハーバード大学外科学教室留学、大津赤十字病院泌尿器科副部長等を経て現職。腎盂・尿管癌診療のエキスパートとして知られています。同院は、腎盂尿管がんに対する低侵襲なレーザー治療を全国に先がけて導入したほか、ダビンチ導入の黎明期からロボット支援下の腎部分切除術に取り組んでいます。腎盂、尿管に発症した腫瘍に対しては、小さな腫瘍でも腎臓と尿管を全て摘出する「腎・尿管全摘術」が標準治療ですが、同院では、レーザー治療とアジュバント化学療法を用いて腎尿管全摘術を行わずに腎盂尿管癌を根治する「臓器温存治療“OMC-LRV”」を行っています(腎盂・尿管癌の「臓器温存治療“OMC-LRV”」動画へのリンク)。 住 所 大阪府高槻市大学町2-7 |
<岡山県> 荒木元朗 医師 岡山大学病院 都道府県がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 がんゲノム医療中核拠点病院 泌尿器科領域におけるあらゆる分野に先進的に取り組み、「進歩・対話・優しさ」をキーワードとして患者さんの立場に立つ最適な治療を目指しています。 1998年岡山大学医学部卒。 米国クリーブランドクリニック留学、米国オクラホマ大学留学等を経て現職。腎盂・尿管がんに対しては、基本的に手術では腹腔鏡による治療を行っており、癌が表在性で小さければ尿管鏡による治療を行っています。腎臓近辺のリンパ節の腫脹がある場合でも術前に抗癌剤を行い、手術によりリンパ節郭清をしっかり行うことで良好な成績を得ています。同院では、侵襲の少ない効率的な検査、ロボット手術・腎移植を含む外科的治療、薬剤を用いた内科的治療、精神心理的なサポートを行い、個々の患者さんに合った総合的な診断・治療を行いながら、多岐に渡る泌尿器科疾患の診療に取り組んでいます。 住 所 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 |
<山口県> 松山豪泰 医師 長門総合病院 地域がん診療病院 膀胱がんの診断から治療・手術、その後のフォローまでを一貫して責任を持って行い、地域に密着した医療を心掛けています。 1981年山口大学大学医学部卒。 スウェーデン王立カロリンスカ研究所に留学、山口大学医学部付属病院 副病院長等を経て現職。泌尿器がんのスペシャリストとして知られており、名医から「泌尿器がんを専門にされている経験豊富な頼れる先生」と言われています。同院泌尿器科は、日本泌尿器科学会認定専門医教育施設として認可されており、日本泌尿器科学会認定専門医、指導医の資格を持った医師が診療にあたっています。また、腹腔鏡手術については、日本泌尿器内視鏡学会および日本内視鏡外科学会の技術認定を受けた医師が手術にあたっています。診断から治療・手術、その後のフォローまで同科で一貫して行い、地域密着型の医療を心掛けています。 住 所 山口県長門市東深川85 |
<高知県> 井上啓史 医師 高知大学医学部附属病院 都道府県がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 がんゲノム医療拠点病院 「患者さんと同じ気持ちでお話しし、病気の全ての情報を明らかにしながら患者さんの同意と納得のもとに診療を行う」と言う姿勢で患者に接しています。 1994年高知医科大学大学院卒。 米国テキサス州立大学MD アンダーソンがんセンター癌生物学科留学、千葉大学フロンティア医工学センター特別教授等を経て現職。泌尿器の名医から「膀胱がんを専門にされている経験豊富な頼れる先生で、精力的に活動をしている名医」と高く評価されています。同院泌尿器科では、腎癌、腎盂・尿管、膀胱癌を含めた尿路上皮癌、前立腺癌、精巣腫瘍を対象に専門外来を行っています。年間200件前後の手術を行っており、腹腔鏡手術やロボット手術、前立腺癌の組織内照射などの低侵襲治療を積極的に行っています。また、患者の負担が少なく、がんの取り残しがなくなる「光線力学診断法」にも取組んでいます。 住 所 高知県南国市岡豊町小蓮185-1 |
<福岡県> 横溝晃 医師 原三信病院 地域がん診療連携拠点病院 地域に根ざした診療として、他病院やクリニックとも連携し、信頼性の高い医療を提供していますので、お気軽にご相談ください。 1991年九州大学医学部卒。 米国メイヨークリニック留学等を経て現職。同院泌尿器科は、前立腺肥大症、尿路結石症、泌尿器がん、女性泌尿器科を始めとして、小児泌尿器科以外の全ての泌尿器科疾患に対し、高度な専門治療を行うことができる国内唯一無二の施設です。患者数と手術件数(2022年度の腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術件数は40件)は日本のトップレベルにあります。同院では様々な分野の専門医による治療を行っており、ガイドラインに準じた標準的な治療に加えて、最新の治療機器・療法を積極的に取り入れ、先進的な治療も行っています。患者さんのお悩みや症状に合わせて、最適な治療方法を提供し、患者さんの健康な生活をサポートしています。 住 所 福岡県福岡市博多区大博町1番8号 |
腎臓・尿管を摘除せずに根治する上部尿路癌レーザー治療について
腎盂・尿管がんの標準的な治療法は、ガイドライン上「腎尿管全摘除術」であるとされています。 たとえ小さなポリープのような腫瘍でも腎臓・尿管を摘除しなければならず、片腎となることで術後再発に対する十分な治療が行えないため、命を落としている患者さんも少なくありません。 大阪医科薬科大学では、経尿道的手術という低侵襲治療を長年に渡って行っており、この豊富な経験と新開発のレーザー内視鏡技術を生かして、腎臓、尿管を摘除せずに根治する「臓器温存治療」を積極的に行っています。 この内視鏡レーザー治療は極めて画期的で、しかも五日間の入院で治療できることから高齢者にも適応が広がり、多くの患者さんが来院しています。 詳しくは、「大阪医科薬科大学病院 腎泌尿器外科ホームページ」をご覧下さい。 ※上記の画像については、大阪医科薬科大学病院より使用の許可を得ています。 |
腎盂・尿管がん病院ランキングと名医在籍情報
腎盂・尿管がんの症例数が多い病院トップ10と名医に関する情報を掲載しています。
名医の在籍と症例数(特に手術数)はリンクする傾向があります。症例数が多いとノウハウも蓄積するため、病院選びの重要な指標と言えます。
()内は当ページに掲載している医師(敬称略)です。
第1位 大阪国際がんセンター(大阪府) 治療合計 185 (手術有 53・手術無 132) - |
第2位 がん研有明病院(東京都) 治療合計 160 (手術有 49・手術無 111) - |
第3位 九州大学病院(福岡県) 治療合計 149 (手術有 50・手術無 99) - |
第4位 大阪医科薬科大学病院(大阪府) 治療合計 139 (手術有 73・手術無 66) 東治人 |
第5位 原三信病院(福岡県) 治療合計 132(手術有 46・手術無 86) 横溝晃 |
第6位 埼玉医科大学国際医療センター(埼玉県) 治療合計 120 (手術有 40・手術無 80) - |
第7位 昭和大学藤が丘病院(神奈川県) 治療合計 115 (手術有 52・手術無 63) - |
第8位 九州病院(福岡県) 治療合計 113 (手術有 38・手術無 75) - |
第9位 久留米大学病院(福岡県) 治療合計 109 (手術有 50・手術無 59) - |
第10位 静岡県立総合病院(静岡県) 治療合計 108 (手術有 30・手術無 78) - |
(お知らせ)補完代替医療における漢方薬について
がん患者さんが全国から集まるがん研有明病院には、院内の患者さんのみを対象とした「漢方サポート外来」が設置されており、がんの3大療法(手術・抗がん剤・放射線療法)で回復が望めなくなった患者さんに対する「次の一手」として、症状の改善や延命に向けて漢方薬を使用しています。
一般社団法人漢方ドットコムでは、抗がん漢方薬に関する詳しい資料を無料で提供していますので、宜しければ下記を参照下さい。
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名医に診てもらうには、どうすれば良い?
実際にがんになられた方の多くが、「名医と言われる先生に診てもらいたい」「少しでも良い病院で治療を受けたい」と思われることと思います。
病状が深刻であればあるほど、その思いは強いのではないかと思います。
私も妻ががんと診断された際、病院選びをどうすべきか悩みましたが、かねてから懇意にさせていただいている「国内屈指のがんの名医」と言われる先生に相談をさせていただき、様々なアドバイスを頂戴しました。
私が先生に教えて頂いた「病院・医師選びのポイント」や、「実際に先生のところにどのようなルートで紹介が来るのか」などについて、下記にまとめていますので、宜しければ参考になさってください。