肝臓がんの抗がん剤治療|肝機能と分子標的薬・生存率を整理

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肝臓がん(肝細胞がん)で抗がん剤治療を受ける、あるいは現在治療中の方に向けて、治療の位置づけや流れ、副作用、肝機能との関係、生活への影響などを公的データや診療ガイドラインをもとに整理しています。
肝臓がんでは、
・切除不能例に対する全身薬物療法
・TACEやラジオ波治療後の再発例
・進行例での病勢コントロール
といった場面で分子標的薬や免疫療法が用いられます。
「自分の肝機能で治療が受けられるのか」「延命効果はどの程度か」「副作用で肝機能が悪化しないか」といった不安を抱く方も少なくありません。
本ページでは、生存率の推移と治療の進歩、副作用対策や生活面の注意点について解説します。
参考情報としてご覧ください。
なお、本ページでは“抗がん剤”を、肝細胞がんで用いられる分子標的薬・免疫療法を含む全身薬物療法として説明します

肝臓がん治療における抗がん剤の位置づけ

肝臓がんでは、まず肝機能(Child-Pugh分類)と腫瘍進行度(BCLC分類など)を総合的に評価します。
早期例では、
・外科切除
・ラジオ波焼灼療法(RFA)
・TACE(肝動脈化学塞栓療法)
が中心となります。

一方、切除不能例や進行例では全身薬物療法が検討されます。
現在は、
・分子標的薬(ソラフェニブ、レンバチニブなど)
・免疫チェックポイント阻害薬併用療法
が標準治療として位置づけられています。
肝機能が保たれていること(多くはChild-Pugh A)が治療継続の前提条件となる点が、肝臓がん特有の特徴です。
同じステージでも肝機能や門脈浸潤の有無で選択肢が変わります

抗がん剤と分子標的薬・免疫療法の違い

従来の細胞障害性抗がん剤は、肝細胞がんでは限定的な役割でした。
現在は、
・がんの血管新生を抑える分子標的薬
・免疫反応を高める免疫チェックポイント阻害薬
が治療の中心です。
延命効果は臨床試験で示されており、生存期間中央値の延長が報告されていますが、効果の程度は肝機能や腫瘍進展度により異なります。

肝臓がんの5年生存率の推移

下記は、国立がん研究センター「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」に基づく、2013~2015年診断症例の5年生存率です。

<肝臓がんの5年生存率の推移>

stage(診断年)
 2013年 
(診断年)
 2014年 
(診断年)
 2015年 
62.0%65.0%63.2%
45.1%45.1%45.2%
16.3%16.6%17.4%
4.7%5.1%5.6%
全平均41.6%43.4%42.6%

出典:国立がん研究センター「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」
※生存率データには、201
4年以前は相対死亡率を、2015年はネット・サバイバル(純生存率)の数値を記載しています。
※がん種および診断年を選択して表示される全国集計データをもとに整理しています。
※生存率は院内がん登録の集計に基づく参考値であり、個々の予後を示すものではありません。

ここから読み取れること
・Ⅰ期は60%台で推移
・Ⅱ期は45%前後で横ばい
・Ⅲ期は16~17%台でわずかに上昇
・Ⅳ期は5%前後で依然厳しい水準

2015年時点では、分子標的薬導入後の時期であり、一定の改善傾向がみられるものの、本データのみで治療効果を直接評価することはできません。


よくみられる副作用と肝機能悪化のリスク

① 倦怠感・食欲低下

治療開始後数週間以内にみられることがあります。

② 手足症候群

分子標的薬でみられ、手足の赤みや痛みが出ることがあります。

③ 高血圧

定期的な血圧管理が必要です。

④ 肝機能悪化

肝酵素上昇や黄疸が出る場合があり、定期的な血液検査が重要です。
副作用が強い場合は減量や休薬が検討されます。


治療期間と効果判定

全身薬物療法は、効果と副作用のバランスをみながら継続されます。
画像検査は通常6~8週間ごとに行われ、効果判定が行われます。
腫瘍増大や肝機能悪化がみられた場合は、「次の治療(セカンドライン)」が検討されます。


通院頻度と経済的負担

多くは外来治療で行われます。
免疫療法は数週間ごとの点滴、分子標的薬は内服治療が中心です。
治療費は保険適用であり、
・高額療養費制度
・限度額適用認定証
・医療費控除
を活用できます。


心のケアと相談先

慢性肝疾患を背景に持つ方も多く、治療と生活の両立には精神的負担も伴います。
・がん相談支援センター
・医療ソーシャルワーカー
・肝疾患相談支援センター
の活用が有効です。


まとめ

肝臓がんの抗がん剤治療(全身薬物療法)は、肝機能とのバランスを見ながら行う点が最大の特徴です。
Ⅰ期でも60%台、Ⅳ期では5%前後と、生存率はステージによって大きく異なります。
分子標的薬や免疫療法の進歩により治療選択肢は広がっていますが、生存率は集団統計であり、個々の経過は肝機能、腫瘍の広がり、治療反応性などで大きく変わります。
不安や疑問がある場合は、主治医と十分に相談し、納得したうえで治療方針を検討することが重要です。
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