胃がんの抗がん剤治療|治療の流れ・副作用・食事と生活への影響を整理

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胃がんで抗がん剤治療を受ける、あるいは現在治療中の方に向けて、治療の位置づけや流れ、副作用、食事との関係、生活への影響などを、公的データや診療ガイドラインをもとに整理しています。
胃がんでは、
・手術後の再発予防(補助化学療法)
・手術前の腫瘍縮小(術前化学療法)
・転移を伴う進行例での病勢コントロール
といった場面で抗がん剤が用いられます。
「なぜ自分に必要なのか」「どのくらい効果が期待できるのか」「食べられなくならないか」といった疑問を持つ方も少なくありません。
本ページでは、生存率の推移と治療の進歩、副作用対策や食事・生活面の工夫についても解説します。
参考情報としてご覧ください。

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胃がん治療における抗がん剤の位置づけ

胃がんの抗がん剤治療は、大きく分けて次の目的があります。
・術後の再発を防ぐ「術後補助化学療法」
・手術前に腫瘍を小さくする「術前化学療法」
・転移がある場合に病勢を抑える「全身化学療法」

ステージⅡ~Ⅲでは、術後補助化学療法が標準治療とされています。
日本ではS-1単剤療法や、オキサリプラチン併用療法(SOX療法など)が広く用いられています。

転移を伴うステージⅣでは、
・フルオロピリミジン系+プラチナ系
・HER2陽性の場合は分子標的薬併用
・近年は免疫チェックポイント阻害薬の併用
など、がんの性質に応じた治療が選択されます。

医師から抗がん剤を勧められた場合は、
・再発率がどの程度下がるのか
・治療期間はどのくらいか
・副作用の見通しはどうか
を具体的に確認することが重要です。

胃がんの5年生存率の推移

下記は、国立がん研究センター「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」に基づく、2013~2015年診断症例の5年生存率です。

<胃がんの5年生存率の推移>

stage(診断年)
 2013年 
(診断年)
 2014年 
(診断年)
 2015年 
96.0%95.9%92.8%
68.5%70.6%66.6%
41.7%42.8%41.4%
6.3%6.2%6.7%
全平均72.3%72.5%70.6%

出典:国立がん研究センター「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」
※生存率データには、201
4年以前は相対死亡率を、2015年はネット・サバイバル(純生存率)の数値を記載しています。
※がん種および診断年を選択して表示される全国集計データをもとに整理しています。
※生存率は院内がん登録の集計に基づく参考値であり、個々の予後を示すものではありません。

ここから読み取れること
・ステージⅠは90%以上と高い水準を維持
・ステージⅡ・Ⅲは40~70%台で推移し、大きな改善傾向はみられない
・ステージⅣは6%台と依然として厳しい水準で推移しており、2015年にわずかな変動がみられる

ステージⅣのわずかな上昇は、抗がん剤や分子標的薬の進歩が予後改善に寄与している可能性はありますが、本データのみからその影響を直接評価することはできません。


胃がん特有の悩み「食べられない」問題への対策

胃がん患者で最も多い不安の一つが、「食べられなくなるのではないか」という点です。
特に胃切除後は、
・少量頻回食
・高カロリー・高タンパクを意識
・冷たい飲食物をゆっくり摂取
といった工夫が必要になります。
体重減少が続く場合は、栄養指導や経口栄養補助食品の併用が検討されます。


ダンピング症候群との兼ね合い

胃切除後は、食後に
・動悸
・発汗
・めまい
・下痢
などが起こる「ダンピング症候群」がみられることがあります。
抗がん剤による吐き気や食欲低下と重なると、生活の質(QOL)に影響します。
食事内容や摂取速度の調整が重要であり、栄養士と連携した管理が有効です。


胃がんで多い副作用:しびれと吐き気

① 吐き気

シスプラチンなどで出やすい副作用です。現在は制吐薬の進歩により軽減可能なケースが増えています。

② 末梢神経障害(しびれ)

オキサリプラチン併用療法でみられます。蓄積性があり、治療中に徐々に強くなることがあります。
強い場合は減量・休薬が検討されます。


漢方薬の併用について

六君子湯などが食欲不振に用いられることがありますが、エビデンスは限定的です。
自己判断でのサプリメント使用は相互作用の可能性があるため、必ず主治医に相談してください。


治療期間と効果の見通し

術後補助療法は約6か月間が一般的です。
転移を伴う進行例では、効果を確認しながら継続することが多く、数か月~1年以上続くこともあります。
「どの程度効果が期待されるのか」は、ステージや腫瘍の性質によって異なります。


仕事・生活との両立

外来治療が中心で、仕事を続ける方もいます。
ただし、
・投与直後は休養を優先
・体調が安定する期間に活動
・無理をしない
といった調整が重要です。
QOLを保つことは治療継続にもつながります。


経済的負担と公的制度

抗がん剤は保険適用です。
・高額療養費制度
・限度額適用認定証
・医療費控除
・自治体助成
を活用することで、自己負担を抑えられる場合があります。


まとめ

胃がんの抗がん剤治療は、再発予防や病勢コントロールに重要な役割を果たします。
ステージⅣでは依然厳しい生存率ですが、治療の進歩により一定の改善傾向がみられます。
胃がん特有の課題は、
・食事
・体重管理
・ダンピング症候群
・吐き気やしびれ
との向き合い方です。
生存率は集団統計であり、個々の経過は年齢、腫瘍の性質、治療反応性などによって異なります。
不安や疑問がある場合は、主治医や医療スタッフと十分に相談し、納得したうえで治療に臨むことが重要です。
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