膀胱がんの抗がん剤治療|レジメン・生存率・膀胱温存の可能性を解説

日本全国の名医・専門医ガイド:がん・脳疾患・心臓病と整形外科の専門医情報を探せるサイト

膀胱がんで抗がん剤治療を受ける、あるいは現在治療中の方に向けて、治療の位置づけや流れ、副作用、腎機能との関係、膀胱全摘や膀胱温存との関係、生活への影響などを、公的データや診療ガイドラインの考え方をもとに整理します。
膀胱がんでは、
・筋層非浸潤がんに対する膀胱内注入療法
・筋層浸潤がんに対する術前化学療法
・転移例に対する全身化学療法
といった場面で抗がん剤が用いられます。
「自分のステージで本当に必要なのか」「腎機能が悪いと使えないのか」「膀胱は残せるのか」「BCGは続けるべきか」といった疑問を持つ方も少なくありません。
本ページでは、生存率データと治療選択の考え方、副作用や排尿ケア、生活面の工夫についても解説します。
参考情報としてご覧ください。
※本ページは一般的な情報整理であり、最終的な治療方針は主治医の判断に基づきます。

膀胱がん治療における抗がん剤の位置づけ

膀胱がんは、大きく
・筋層非浸潤がん(表在性)
・筋層浸潤がん
・転移を伴う進行がん
に分かれます。

① 筋層非浸潤がん

TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)後に、
・抗がん剤の膀胱内注入療法
・BCG注入療法
が再発予防目的で行われます。
※これは全身化学療法とは異なり、膀胱内に直接薬を入れる治療です。


② 筋層浸潤がん

膀胱全摘術が標準治療ですが、術前に
・シスプラチン併用療法(MVAC療法、GC療法など)
が行われることがあります(術前化学療法)。
これは再発率を下げることを目的とします。


③ 転移を伴う進行例

全身化学療法が中心となります。
代表的なレジメンは
・GC療法(ゲムシタビン+シスプラチン)
・MVAC療法
・免疫チェックポイント阻害薬
などです。

腎機能との関係(非常に重要)

シスプラチンは腎機能に影響する可能性があるため、
・eGFR
・クレアチニン値
などを確認したうえで使用可否が判断されます。
腎機能が低い場合は、
・カルボプラチンへの変更
・免疫療法への切り替え
などが検討されることがあります。


膀胱がんの5年生存率の推移

下記は、国立がん研究センター「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」に基づく、2013~2015年診断症例の5年生存率です。

<膀胱がんの5年生存率の推移>

stage(診断年)
 2013年 
(診断年)
 2014年 
(診断年)
 2015年 
86.5%86.3%82.2%
56.8%57.3%54.3%
41.9%44.2%38.7%
19.1%19.4%18.3%
全平均66.4%66.1%62.9%

出典:国立がん研究センター「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」
※生存率データには、201
4年以前は相対死亡率を、2015年はネット・サバイバル(純生存率)の数値を記載しています。
※がん種および診断年を選択して表示される全国集計データをもとに整理しています。
※生存率は院内がん登録の集計に基づく参考値であり、個々の予後を示すものではありません。

ここから読み取れること
・Ⅰ期は80%台と比較的高い水準
・Ⅱ期は50%台で推移
・Ⅲ期は40%前後
・Ⅳ期は20%未満で依然として厳しい
進行期では生存率は20%未満と依然として厳しい水準にありますが、この統計は特定の治療の効果を直接示すものではありません。
治療の目的は、延命と同時に生活の質(QOL)を保つことも含まれます。


膀胱内注入療法と全身化学療法の違い

項目膀胱内注入全身化学療法
目的再発予防進行抑制・延命
投与方法膀胱内に直接注入点滴
主な副作用排尿時痛、頻尿吐き気、骨髄抑制等

BCG注入療法の副作用と継続判断

BCGでは、
・発熱
・膀胱刺激症状
・まれに全身感染
が起こることがあります。
強い副作用が出た場合は減量や中止が検討されます。
「どこまで続けるか」は副作用の強さと再発リスクのバランスで判断されます。


膀胱温存の可能性

筋層浸潤がんでも、
・化学療法+放射線療法
により膀胱温存が検討されるケースがあります。
ただし再発時は全摘が必要になることもあり、慎重な判断が必要です。


排尿のセルフケアと感染対策

・水分摂取を適切に保つ
・排尿痛が強い場合は早めに相談
・血尿や発熱があれば速やかに受診
頻尿は仕事や外出の不安につながりますが、症状の出やすい時期を把握すると予定が組みやすくなります。


性生活・不妊への影響

膀胱全摘や骨盤内治療では、
・勃起障害
・射精障害
・不妊
が問題となることがあります。
若年者では治療前に妊孕性保存の相談が行われることもあります。


治療費とストーマ管理

膀胱全摘後に回腸導管などのストーマ造設を行った場合、
・装具費
・管理費
が発生します。
医療保険や公的助成制度の対象となる場合があります。


まとめ

膀胱がんの抗がん剤治療は、再発予防、術前治療、進行例の延命など、ステージにより目的が異なります。
腎機能との関係、膀胱内注入と全身化学療法の違い、BCGの副作用、膀胱温存の可能性など、治療選択は多岐にわたります。
生存率は集団統計であり、個々の経過は年齢、腎機能、腫瘍の性質、治療反応性などにより異なります。
疑問や不安がある場合は、主治医や医療スタッフと十分に相談し、納得したうえで治療に臨むことが大切です。

補完療法(漢方)に関する参考情報【広告】
本リンクは広告です。掲載情報は一般的な参考情報であり、特定の治療効果を保証するものではありません。
がん治療の判断は、必ず主治医(専門医)にご相談ください。
▶ 補完療法の情報を見る

※外部サイトの内容について、当サイトが医療的推奨や優劣の判断を行うものではありません。

全国のがん診療拠点病院一覧

関連情報として、全国のがん診療連携拠点病院(全国に464施設あり)の情報を掲載致します。
下記のリンクよりご確認いただけますので、ご覧ください。

北海道・東北地方の拠点病院

中国・四国地方の拠点病院

広島岡山山口鳥取
島根
徳島愛媛香川高知

九州・沖縄地方の拠点病院

福岡佐賀長崎熊本
大分宮崎鹿児島沖縄

※拠点病院指定状況は厚生労働省および国立がん研究センター等の公開情報をもとに整理しています。


膀胱がんの名医・専門医リスト

全国の膀胱がんの名医・専門医リスト(医師の所属、役職、得意分野などを掲載)については、下記のページをご覧ください。

膀胱がんの名医・専門医リスト

■名医に診てもらうための道程(近道)

癌の名医に「病院・医師選びのポイント」と「名医に診てもらう方法(どういうルートで先生のところに患者が来るのか)」をヒアリングしましたので、ご興味のある方はご覧ください。

●がんの名医に教えて頂いた「病院・医者選びのポイント」
●がんの名医に教えて頂いた「名医に診てもらう方法」

 ⇒トップページへ戻る

※本サイトは制度上の指定状況および公表データを整理した情報提供ページであり、個別の治療方針を示すものではありません。

【免責事項】
「日本の名医リスト(doctor-cancer.com)」は、一般的な医療情報の提供を目的として、国立がん研究センター等の公的機関資料、医療機関公式情報、学会等の公開情報をもとに整理・編集しています。
2014年11月の開設以降、継続的な内容更新に努めています。
掲載内容は情報提供を目的としたものであり、特定の治療法・医療機関・医師の受診や治療効果を保証・推奨するものではありません。
診断・治療の最終判断は必ず主治医等の医療専門職にご相談ください。
なお、本サイトで使用する「名医」という表現に公的な統一定義はありません。
掲載情報は公開資料に基づき整理したものであり、特定の医師の優劣や治療成績を保証するものではありません。
本サイトには広告(アフィリエイトを含む)が表示される場合があります。リンク先の商品・サービスの内容、効果、安全性等について本サイトが保証するものではありません。