前立腺がんのステージ別生存率【5年・10年/全国集計】がん診療病院データ

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本ページでは、日本国内のがん診療病院における前立腺がんのステージ別生存率について、国立がん研究センター等が公表している院内がん登録生存率の集計データをもとに整理しています。
数値の読み方や比較時の注意点についても解説していますので、参考情報としてご覧ください。
がん診療病院・専門病院の役割・種類については、こちらをご覧ください。

前立腺がんステージ別生存率(全国集計)

下記は、院内がん登録の公表データをもとに整理した前立腺がんのステージ別生存率です。
生存率データには、ネット・サバイバル(純生存率)の数値を記載しています。

stage5年生存率
2015年診断)
10年生存率
(2012年診断)
100.0%93.8%
100.0%95.1%
99.0%86.2%
60.0%35.9%
全平均95.2%84.0%

出典:国立がん研究センター「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」
※がん種および診断年を選択して表示される全国集計データをもとに整理しています。
※生存率は院内がん登録の集計に基づく参考値であり、個々の予後を示すものではありません。

●生存率を見る際のポイント
がん専門病院の生存率は、患者構成(進行度・年齢・併存疾患など)の違いに大きく影響されます。
特に紹介患者の多い高次医療機関では、進行例や難治例の割合が高くなる傾向があり、単純比較には注意が必要です。
本ページでは、公開データの理解補助を目的として整理しています。

前立腺がんのステージ別生存率の傾向について

前立腺がんと診断された際、多くの方が最初に確認したいのは、自身(家族)の進行度がどの段階に位置するのか、そしてどの治療選択が現実的な見通しにつながるのかという点です。
本疾患は比較的進行が緩徐な症例が多い一方、リスク分類や転移の有無によって予後の幅が大きい腫瘍として知られています。
ステージ判定は、腫瘍の局在(T分類)、リンパ節転移(N分類)、遠隔転移(M分類)に加え、PSA値やグリソンスコア(Grade Group)を含めたリスク評価に基づいて総合的に判断されます。
特に、被膜外進展や骨転移の有無が予後を左右する重要な要素となります。
治療戦略は、監視療法、手術療法、放射線療法、内分泌療法(ホルモン療法)など多岐にわたり、年齢、併存疾患、腫瘍リスク、患者の価値観を踏まえた個別化が重視されています。
また、根治的前立腺全摘術を選択する場合には、術後尿失禁や性機能への影響(QOL)が重要な検討事項となります。
近年は、神経温存手技や尿失禁防止術に習熟した高専門施設での手術により、術後機能温存成績の改善が報告されており、治療施設の経験値も意思決定の一要素として考慮される場面があります。
なお、本ページの生存率は院内がん登録に基づく集団統計であり、個々の経過を直接示すものではありません。
実際の状況については主治医の評価とあわせてご確認ください。

前立腺がんステージ1について

ステージ1は、腫瘍が前立腺内に限局し、低リスク群を含む比較的早期の段階に位置づけられます。
院内がん登録では非常に高い生存率が示されており、経過観察を含めた多様な選択肢が検討される集団です。
治療方針としては、積極的監視療法(Active Surveillance)が選択される症例もあり、PSA推移、MRI所見、生検結果などを踏まえた慎重なフォローが行われます。
一方、根治治療を希望する場合には、前立腺全摘術や放射線治療が検討されます。
手術療法を選択する場合、術後の尿失禁リスクを低減する観点から、神経温存や尿失禁防止手技に熟練した施設での治療が重視されることがあります。

前立腺がんステージ2について

ステージ2は、腫瘍が前立腺内にとどまりながらも腫瘍量や悪性度が上昇した中間〜高リスク群を含む段階です。
根治治療が積極的に検討される病期で、手術療法または放射線療法(+内分泌療法)が主な選択肢となります。
前立腺全摘術では、腫瘍制御と機能温存のバランスが重要なテーマとなります。
特に、術後尿失禁は生活の質に直結する合併症の一つであり、尿禁制温存技術や骨盤底再建手技の経験が豊富な施設選択が重視される場面があります。
術後はPSAによる生化学的再発監視が長期にわたり行われます。

前立腺がんステージ3について

ステージ3は、被膜外進展や精嚢浸潤を伴う局所進行例を含み、再発リスクが高まる段階です。
院内がん登録では生存率はやや低下しますが、集学的治療により長期コントロールが期待される症例もあります。
治療の中心は、
・前立腺全摘術+補助療法
・放射線療法+長期内分泌療法
など、リスクに応じた多面的戦略となります。
局所進行例では、腫瘍制御に加え、術後QOL(尿禁制・性機能)の維持が重要な課題となるため、治療法選択にあたっては専門医との十分な相談が推奨されます。

前立腺がんステージ4について

ステージ4は、リンパ節転移や骨転移など遠隔転移を伴う状態を含み、治療の基本は全身療法による病勢コントロールとなります。
前立腺がんは骨転移を来しやすい腫瘍として知られており、転移の部位や量が予後に大きく影響します。
治療の中心は内分泌療法ですが、近年は
・新規ホルモン薬
・化学療法
・放射性医薬品
・免疫療法(限られた症例)
など治療選択肢が拡大しています。

進行例では、腫瘍制御と並行して、
・骨関連事象の予防
・疼痛管理
・ADL(日常生活動作)維持
など支持療法の重要性が高い点も特徴です。

まとめ

前立腺がんの生存率はステージによって大きく異なりますが、予後を左右する重要な要因には、リスク分類、転移の有無、そして適切な治療選択が挙げられます。
本疾患は比較的長期経過をたどる症例も多く、治療後の生活の質(QOL)を見据えた意思決定が極めて重要です。
近年は監視療法の精緻化、放射線治療技術の進歩、さらに尿失禁防止手技を含む機能温存手術の発展により、症例に応じた治療選択肢の幅が広がっています。
一方で、生存率は集団統計に基づく指標であり、年齢、PSA値、グリソンスコア、転移状況、治療反応性などによって個々の経過は大きく異なります。
治療方針の検討にあたっては、数値のみで判断するのではなく、前立腺がん診療に習熟した専門医による個別評価とあわせて総合的に理解することが重要です。
本ページが公開データを読み解く際の参考情報となれば幸いです。
*参考例として、大阪医科薬科大学病院の尿失禁防止術をご紹介しますので、ご興味のある方は、こちらをご覧ください。

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癌の名医に「病院・医師選びのポイント」と「名医に診てもらう方法(どういうルートで先生のところに患者が来るのか)」をヒアリングしましたので、ご興味のある方はご覧ください。

●がんの名医に教えて頂いた「病院・医者選びのポイント」
●がんの名医に教えて頂いた「名医に診てもらう方法」

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