肝細胞がんのステージ別生存率【5年・10年/全国集計】がん診療病院データ

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本ページでは、日本国内のがん診療病院における肝細胞がんのステージ別生存率について、国立がん研究センターが公表している院内がん登録生存率の全国集計データをもとに整理しています。
肝臓がんには肝細胞がんと肝内胆管がんがありますが、日本で多くみられる原発性肝がんの中心は肝細胞がんです。
そのため、「肝臓がんの生存率」を調べている方の多くが、実際には肝細胞がんの予後や治療成績を知りたいと考えているケースが少なくありません。
一方で、肝細胞がんは他のがんと異なり、がんの進行度だけでなく、背景にある肝硬変や慢性肝炎、脂肪肝関連疾患などによる肝機能の状態が予後に強く影響することが知られています。

また肝細胞がんの予後は
・診断時のステージ
・腫瘍の数や大きさ
・血管侵襲の有無
・肝機能(肝予備能)
・再発後の治療
などによって大きく変わります。

ここでは
・ステージ別の5年生存率・10年生存率
・進行肝細胞がん(ステージⅢ・Ⅳ)の予後
・肝機能が生存率に与える影響
・再発と長期生存の関係
・薬物療法や局所治療の進歩
などを整理し、公開されている統計データを理解するための参考資料としてまとめています。
がん診療病院・専門病院の役割・種類については、こちらをご覧ください。

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肝細胞がんステージ別生存率(全国集計)

下記は、院内がん登録の公表データをもとに整理した肝細胞がんのステージ別生存率です。
生存率データには、ネット・サバイバル(純生存率)の数値を記載しています。

stage5年生存率
2015年診断)
10年生存率
(2012年診断)
63.3%36.3%
46.1%21.6%
16.6%7.1%
4.8%1.9%
全平均45.7%23.9%

出典:国立がん研究センター「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」
※がん種および診断年を選択して表示される全国集計データをもとに整理しています。
※生存率は院内がん登録の集計に基づく参考値であり、個々の予後を示すものではありません。

●生存率を見る際のポイント
肝細胞がんの生存率を理解する際には、腫瘍の進行度だけでなく肝機能の状態が重要なポイントになります。
肝細胞がんは、肝硬変や慢性肝炎などの背景疾患を伴うことが多く、同じステージでも予後が大きく異なることがあります。
特に、肝予備能(Child-Pugh分類)、腫瘍数、血管侵襲、背景肝疾患の程度などが生存率に影響します。
そのため、単純にステージの数字だけで見通しを判断することは難しく、がんの広がりと肝臓の機能をあわせて理解することが重要です。

肝細胞がんの余命・平均余命について

肝細胞がんと診断された際、「余命」や「どのくらい生きられるのか」を気にされる方は少なくありません。
しかし医療現場では、個々の患者に対して余命を具体的な年数で示すことは一般的ではありません。
腫瘍の広がりだけでなく、肝機能、背景肝疾患、治療の効果などによって経過が大きく変わるためです。
院内がん登録の全国集計では、肝細胞がんの5年生存率は
・ステージⅠ:約63%
・ステージⅡ:約46%
・ステージⅢ:約17%
・ステージⅣ:約5%
と報告されています。

この数値からも分かるように、早期の段階では局所治療による長期生存が期待できる一方、進行した状態では予後が厳しくなる傾向があります。
ただし、肝細胞がんでは同じステージでも肝機能が保たれているかどうかで治療の選択肢が変わるため、実際の見通しには大きな幅があります。
また、近年は分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の導入により、従来より長く病勢をコントロールできる症例もみられるようになっています。
生存率は集団統計であり、個人の余命を直接示すものではない点を前提に理解することが重要です。

肝細胞がんのステージ別生存率の傾向について

肝細胞がんのステージは、腫瘍の数や大きさ、血管侵襲、遠隔転移の有無などによって分類されます。
治療の基本は、肝切除、焼灼療法(RFA)、TACE、薬物療法などを組み合わせた治療です。
肝細胞がんでは、がんの進行度に加えて肝機能の状態が予後を大きく左右する点が特徴です。
そのため、同じステージでも治療方針が一律ではなく、肝予備能を踏まえて治療の強さや順番が決められます。

肝細胞がんは再発率が高いことでも知られており、初回治療後も長期にわたる経過観察が必要です。
近年は、局所治療の精度向上に加えて、全身薬物療法の選択肢も広がっており、進行例でも従来より長期生存が期待できる症例が出てきています。
一方で、腹水、黄疸、肝性脳症など肝不全の症状が出ている場合には、がんの進行だけでなく肝機能そのものが見通しに大きく影響します。

肝細胞がんステージ1について

ステージ1は、腫瘍が肝臓に限局している段階です。
治療では、肝切除、焼灼療法(RFA)などの局所治療が中心となります。
院内がん登録では、ステージⅠの5年生存率は63.3%と報告されています。
肝機能が保たれている場合には根治が期待できる一方、背景に慢性肝疾患を伴うことが多いため、治療後も再発に注意した経過観察が重要になります。

肝細胞がんステージ2について

ステージ2は、腫瘍数の増加や腫瘍径の拡大がみられる段階です。
治療では、肝切除、焼灼療法、TACEなどが選択されます。
院内がん登録では、ステージⅡの5年生存率は46.1%となっています。
この段階では再発リスクが高まり始めるため、治療後も画像検査や腫瘍マーカーによる継続的なフォローが予後に影響します。

肝細胞がんステージ3について

ステージ3は、血管侵襲や多発病変を伴う進行段階です。
治療では、TACE、肝動注療法、薬物療法などが行われます。
院内がん登録では、ステージⅢの5年生存率は16.6%と報告されています。
この段階では治療の個別化が重要であり、腫瘍の進行だけでなく、治療に耐えうる肝機能が保たれているかどうかが大きな分岐点になります。

肝細胞がんステージ4について

ステージ4は、遠隔転移や高度進行を伴う段階です。
治療では、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などが中心となります。
院内がん登録では、ステージⅣの5年生存率は4.8%、10年生存率は1.9%と報告されています。
ただし、近年は薬物療法の進歩により、従来より長期間病勢をコントロールできる症例もみられます。
一方で、腹水や黄疸、肝性脳症などを伴う場合には、肝不全の影響が予後に直結することもあります。

再発と長期生存について

肝細胞がんは再発率が高い腫瘍として知られています。
再発は肝内に多くみられ、複数回の治療が必要になることもあります。
こうした理由から、画像検査、血液検査などによる定期的なフォローが重要です。
近年は薬物療法の進歩により、再発後の治療選択肢も広がっています。
肝細胞がんでは、再発しても治療を重ねながら長期に経過するケースがある一方、背景肝疾患の進行が見通しに影響する点が大きな特徴です。

まとめ

肝細胞がんの予後はステージだけでなく、肝機能の状態によって大きく異なります。
早期では局所治療による長期生存が期待できる一方、進行例では薬物療法による病勢コントロールが中心となります。
また、肝細胞がんは肝臓がんの中で最も多いタイプであり、背景に肝硬変や慢性肝炎などを伴うことが多いため、他のがん以上に肝予備能が見通しを左右します。
生存率はあくまで集団統計であり、個々の経過は大きく異なるため、主治医の説明とあわせて理解することが重要です。
数値だけで判断するのではなく、ご自身の病状や肝機能を踏まえて理解することが大切です。

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