喉頭がんのステージ別生存率【5年・10年/全国集計】がん診療病院データ

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本ページでは、日本国内のがん診療病院における喉頭がんのステージ別生存率について、国立がん研究センターが公表している院内がん登録生存率の全国集計データをもとに整理しています。

喉頭がんは、のどにある発声器官である喉頭(こうとう)に発生するがんで、
・声門がん(声帯)
・声門上がん
・声門下がん
などに分類されます。
特に声門がん(声帯がん)は比較的早期に「声のかすれ(嗄声)」が現れやすいため、早期発見につながるケースが多いとされています。
進行すると、リンパ節転移や嚥下障害、呼吸困難などを伴うことがあり、進行度によって予後が大きく変わることが知られています。

喉頭がんの予後は
・診断時のステージ
・がんの発生部位(声門・声門上・声門下)
・喉頭を温存できるか
・手術や放射線治療の効果
・再発後の治療
などによって大きく変わります。

本記事では
・ステージ別の5年生存率・10年生存率
・進行喉頭がん(ステージⅢ・Ⅳ)の予後
・声門がんとその他の喉頭がんの生存率の違い
・喉頭温存治療の可能性
・再発後の治療と長期生存
などについて整理し、統計データの読み方や予後の考え方を分かりやすくまとめています。

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喉頭がんステージ別生存率(全国集計)

下記は、院内がん登録の公表データをもとに整理した喉頭がんのステージ別生存率です。
生存率データには、ネット・サバイバル(純生存率)の数値を掲載しています。

stage5年生存率
2015年診断)
10年生存率
(2012年診断)
92.9%77.0%
82.4%65.0%
68.2%52.8%
47.4%29.9%
全平均77.9%61.1%

出典:国立がん研究センター「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」
※がん種および診断年を選択して表示される全国集計データをもとに整理しています。
※生存率は院内がん登録の集計に基づく参考値であり、個々の予後を示すものではありません。

●生存率を見る際のポイント
喉頭がんの生存率を理解する際には、がんの発生部位と広がり方が重要なポイントになります。
喉頭がんでは
・声門がん
・声門上がん
・声門下がん
の部位によって予後が異なることが知られています。
特に声門がんは声のかすれという症状が早く出るため早期発見されやすく、比較的治療成績が良い傾向があります。

一方で、声門上がんや声門下がんは症状が出にくく、リンパ節転移を伴って発見されることもあり、進行して見つかる場合があります。
また喉頭がんでは次のような要因が予後に影響します。
・腫瘍の広がり
・リンパ節転移
・遠隔転移
・喫煙や飲酒の継続
・治療後の再発

特に喫煙は喉頭がんの主要な危険因子とされており、治療後も喫煙を続けた場合には再発や第二のがんのリスクが高くなることが知られています。

声門がんは本当に治りやすいのか?

喉頭がんの中でも、声門がんは比較的治療成績が良いとされることが多い腫瘍です。
その理由として、声帯に発生する腫瘍は比較的早い段階から「声のかすれ(嗄声)」という症状が現れやすく、受診につながりやすいことが挙げられます。
実際に、声門がんではステージⅠの段階で発見される割合が高く、放射線治療や内視鏡手術によって治癒が期待できるケースも少なくありません。
一方で、進行した場合にはリンパ節転移や局所進展を伴い、他の喉頭がんと同様に治療の難易度が高くなります。
そのため、「声門がん=必ず治りやすい」というわけではなく、診断時のステージが重要な要素となります。

喉頭がんの余命・平均余命について

喉頭がんと診断された際、「余命」や「どのくらい生きられるのか」を気にされる方は少なくありません。
しかし医療現場では、個々の患者に対して「余命〇年」と断定する形で説明されることは一般的ではありません。
がんの広がりやリンパ節転移、治療方法などによって経過が大きく変わるためです。
院内がん登録の全国集計では、喉頭がんの5年生存率は
・ステージⅠ:約93%
・ステージⅡ:約82%
・ステージⅢ:約68%
・ステージⅣ:約47%
と報告されています。

この数値からも分かるように、早期段階では高い治療成績が期待できる一方、進行すると生存率が低下する傾向があります。

喉頭がんのステージ別生存率の傾向について

喉頭がんのステージは
・腫瘍の大きさ
・周囲組織への浸潤
・リンパ節転移
・遠隔転移
などをもとに分類されます。

治療の基本は、手術、放射線治療、化学療法、化学放射線療法などを組み合わせた治療です。
喉頭がんでは、声帯や喉頭を残しながら治療する「喉頭温存治療」が選択されることもあり、発声機能や嚥下機能を保つことも重要な治療目標となります。
こうしたステージ分類や治療方針に関連して、喉頭がんでは「喉頭を残せるかどうか」も重要なテーマとなります。

喉頭を残せる可能性(喉頭温存率)

喉頭がんの治療では、「がんを治すこと」に加えて「声を残すこと(喉頭温存)」も重要なテーマとなります。
近年では、化学放射線療法の進歩により、喉頭を摘出せずに治療を行う選択肢が広がっています。
特に、ステージⅠ〜Ⅱ、一部のステージⅢでは、放射線治療や化学放射線療法によって喉頭を温存できる可能性があります。
ただし、腫瘍の広がりや呼吸機能への影響が大きい場合には、安全性を考慮して喉頭全摘出術が選択されることもあります。
治療方針は、生存率と機能温存のバランスを踏まえて個別に判断されます。

声帯を残したまま生存できるのか

喉頭がんでは、治療後に声を維持できるかどうかは重要な関心事項の一つです。
早期の喉頭がんでは、放射線治療や内視鏡手術によって声帯を温存したまま治療が完了するケースもあります。
一方で、進行がんでは腫瘍の広がりによって、声帯の一部切除や喉頭全摘出が必要となる場合もあります。
ただし近年は、治療後のリハビリや音声再建の技術も進歩しており、喉頭摘出後でも発声機能を補う方法が選択されることがあります。

喉頭がんステージ1について

ステージ1は、腫瘍が喉頭に限局している早期段階です。
治療では、放射線治療、レーザー手術、経口手術などが行われることがあります。
院内がん登録の全国集計では、ステージⅠの5年生存率は92.9%と報告されています。

喉頭がんステージ2について

ステージ2は、腫瘍が大きくなっているものの、遠隔転移は認めない段階です。
治療では、放射線治療、化学放射線療法、部分喉頭切除術などが行われます。
院内がん登録の全国集計では、ステージⅡの5年生存率は82.4%となっています。

喉頭がんステージ3について

ステージ3は、リンパ節転移や周囲組織への浸潤を伴う進行段階です。
治療では、化学放射線療法、手術、喉頭全摘出術などが選択されます。
院内がん登録の全国集計では、ステージⅢの5年生存率は68.2%と報告されています。

喉頭がんステージ4について

ステージ4は、周囲臓器への広がりや遠隔転移を伴う進行段階です。
治療では、化学放射線療法、手術(喉頭全摘出)、免疫療法、緩和的治療などを組み合わせながら病状のコントロールを目指す治療が行われます。
院内がん登録の全国集計では、ステージⅣの5年生存率は47.4%、10年生存率は29.9%と報告されています。

ステージ3・4からの喉頭温存は可能か

進行した喉頭がん(ステージⅢ・Ⅳ)においても、条件によっては喉頭を温存できる場合があります。
特に
・腫瘍の局所制御が可能な場合
・呼吸機能が保たれている場合
などでは、化学放射線療法による喉頭温存が検討されることがあります。
ただし、すべての症例で可能というわけではなく、腫瘍の進展範囲や安全性を考慮して、喉頭全摘出術が選択されることもあります。

再発と長期生存について

喉頭がんは、治療後に再発する可能性がある腫瘍として知られています。
再発は、頸部リンパ節、肺、骨、局所再発などとして生じることがあります。
治療後は、内視鏡検査、CT検査、画像検査などによる定期的な経過観察が行われます。
再発した場合には、救済手術(サルベージ手術)、放射線治療、薬物療法などが検討されることがあります。

タバコを続けた場合のリスク

喉頭がんは、喫煙との関連が強いがんとして知られています。
治療後も喫煙を続けた場合には
・再発リスクの上昇
・第二のがん(重複がん)の発生
・治療効果の低下
などが指摘されています。

一方で、禁煙することで
・再発リスクの低下
・治療成績の改善
・全身の健康状態の改善
につながる可能性があります。
喉頭がんの治療後においては、禁煙は予後に関わる重要な要素の一つとされています。

まとめ

国立がん研究センターの院内がん登録全国集計では、喉頭がんの予後は診断時のステージによって大きく異なることが示されています。
早期段階では放射線治療や手術によって高い治療成績が期待できる一方、進行するとリンパ節転移や遠隔転移の影響により治療の難易度が高くなります。
また喉頭がんでは、発生部位(声門・声門上・声門下)によって生存率や治療方針が異なることも知られています。
生存率は集団統計に基づく指標であり、実際の経過は患者ごとの病状や治療内容によって異なります。
具体的な治療方針や見通しについては、主治医の説明を踏まえて理解することが重要です。

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