膵臓がんのステージ別生存率【5年・10年/全国集計】がん診療病院データ

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本ページでは、日本国内のがん診療病院における膵臓がんのステージ別生存率について、国立がん研究センター等が公表している院内がん登録生存率の集計データをもとに整理しています。
数値の読み方や比較時の注意点についても解説していますので、参考情報としてご覧ください。
がん診療病院・専門病院の役割・種類については、こちらをご覧ください。

膵臓がんステージ別生存率(全国集計)

下記は、院内がん登録の公表データをもとに整理した膵臓がんのステージ別生存率です。
生存率データには、ネット・サバイバル(純生存率)の数値を記載しています。

stage5年生存率
2015年診断)
10年生存率
(2012年診断)
56.2%34.5%
23.1%12.2%
6.1%2.7%
1.6%0.6%
全平均13.1%6.4%

※生存率は院内がん登録の集計に基づく参考値であり、個々の予後を示すものではありません。

●生存率を見る際のポイント
がん専門病院の生存率は、患者構成(進行度・年齢・併存疾患など)の違いに大きく影響されます。
特に紹介患者の多い高次医療機関では、進行例や難治例の割合が高くなる傾向があり、単純比較には注意が必要です。
本ページでは、公開データの理解補助を目的として整理しています。

膵臓がんのステージ別生存率の傾向について

膵臓がんと診断された際、多くの方が最初に確認したいのは、自身の進行度がどの段階にあたるのか、そしてどのような治療成績が報告されているのかという点です。
膵臓がんは自覚症状に乏しく、発見時にはすでに進行しているケースが少なくないことが知られています。
このため、他の消化器がんと比較して切除可能例の割合が限られる点が大きな特徴です。
予後を考えるうえで重要なのは、腫瘍の広がり(ステージ)に加え、切除可能性(Resectability)、全身状態、主要血管への浸潤の有無、遠隔転移の状況など複数の要素です。
近年は画像診断の精度向上により、切除可能・切除境界・切除不能といった治療前分類に基づく戦略が一般化しています。
治療面では、外科切除に加えて術前・術後化学療法、FOLFIRINOX療法やゲムシタビン併用療法などの多剤併用レジメンや一部症例での分子標的治療など、全身治療の進歩が報告されています。
一方で、膵臓がんでは体重減少、食欲低下、糖代謝異常、膵外分泌不全など、治療前後の生活への影響を強く意識する患者が多い点も特徴です。
ステージ別生存率は公表されている重要な指標の一つですが、本ページの数値は院内がん登録に基づく集団統計であり、個々の見通しを直接示すものではありません。
ご自身の状況については主治医の評価とあわせてご確認ください。

膵臓がんステージ1について

膵臓がんステージ1は、腫瘍が膵内に限局し、主要血管浸潤や遠隔転移を伴わない早期段階に位置づけられます。
院内がん登録の集計では比較的良好な生存率が示されており、外科的切除が可能な貴重な集団とされています。
治療の中心は膵頭十二指腸切除術や膵体尾部切除術などの根治手術です。
近年は術後補助化学療法の標準化により、再発抑制効果の向上が報告されています。
一部施設では術前補助療法(ネオアジュバント療法)を先行させる戦略も検討されています。
ただし、膵臓がんは早期でも微小転移を伴う可能性がある腫瘍とされ、術後も計画的な画像フォローと腫瘍マーカー監視が重要になります。
また、術後は膵外分泌酵素補充や血糖管理など、長期的な代謝フォローが必要となる場合があります。

膵臓がんステージ2について

膵臓がんステージ2は、腫瘍の局所進展やリンパ節転移が認められる段階で、切除可能例と切除境界例が混在する群に位置づけられます。
院内がん登録では根治切除により長期生存が期待できる症例が含まれる一方、再発リスクが高まり始めるステージとされています。
標準治療は外科切除を基本としつつ、近年は術前化学療法を導入する施設も増えています。
特に主要血管への接触が疑われる症例では、治療前に全身療法を行い、切除可能性を再評価するアプローチが一般化しつつあります。
術後は多くの症例で補助化学療法が検討され、再発抑制が治療戦略の重要な柱となります。
また、膵切除後は体重減少や脂肪吸収障害が生じやすく、栄養管理と生活調整を含めた包括的フォローが重要になります。

膵臓がんステージ3について

膵臓がんステージ3は、主要動脈への浸潤などにより局所進行・切除困難例を多く含む段階です。
院内がん登録では生存率は低下傾向となりますが、近年は化学療法の強化により治療成績の改善が報告されています。
治療の中心は全身化学療法で、FOLFIRINOX療法やゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法などが代表的レジメンです。
治療反応が良好な症例では、コンバージョン手術(治療後切除)が検討されるケースも報告されています。
また、局所制御目的で化学放射線療法が組み込まれる場合もあり、治療戦略は施設ごとに専門的判断が求められます。
治療期間が長期化することも多く、疼痛管理、栄養サポート、就労支援などQOLを意識した多面的ケアが重要になります。

膵臓がんステージ4について

膵臓がんステージ4は、肝臓、腹膜、肺などへの遠隔転移を伴う状態を指し、治療の基本は全身療法による病勢コントロールとなります。
院内がん登録の集計では他ステージと比較して生存率は低い傾向にありますが、近年は多剤併用療法の進歩により生存期間延長が報告されています。
薬物療法ではFOLFIRINOX療法やゲムシタビン併用療法が中心となり、患者の体力や副作用耐容性を踏まえてレジメンが選択されます。
一部では遺伝子異常(BRCA変異など)に基づく治療選択が検討されることもあります。
膵臓がんステージ4では、腫瘍制御と並行して、疼痛緩和、栄養維持、胆道ドレナージ管理など支持療法の重要性が高い点が特徴です。
治療は長期の外来管理となることが多く、生活の質を維持しながら病勢と向き合う長期的支援体制が求められます。

まとめ

膵臓がんの生存率はステージによって大きく異なりますが、予後を左右する最大の要因の一つは切除可能性の有無にあります。
近年は術前後化学療法の標準化、多剤併用レジメンの進歩、支持療法の充実により、各病期で治療成績の改善が報告されています。
一方で、膵臓がんは早期発見が難しく、診断時の進行度に幅がある腫瘍でもあります。
また、生存率は集団統計に基づく指標であり、年齢、全身状態、腫瘍進展度、治療反応性、合併症などによって個々の経過は大きく異なります。
治療方針の検討にあたっては数値のみで判断するのではなく、膵がん診療に習熟した専門医による個別評価とあわせて総合的に理解することが重要です。
本ページが公開データを読み解く際の参考情報となれば幸いです。


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