本ページでは、日本国内のがん診療病院における胃がんのステージ別生存率について、国立がん研究センター等が公表している院内がん登録生存率の集計データをもとに整理しています。
数値の読み方や比較時の注意点についても解説していますので、参考情報としてご覧ください。
がん診療病院・専門病院の役割・種類については、こちらをご覧ください。
胃がんステージ別生存率(全国集計)
下記は、院内がん登録の公表データをもとに整理した胃がんのステージ別生存率です。
生存率データには、ネット・サバイバル(純生存率)の数値を記載しています。
| stage | 5年生存率 (2015年診断) | 10年生存率 (2012年診断) |
| Ⅰ | 92.8% | 79.1% |
| Ⅱ | 66.6% | 52.0% |
| Ⅲ | 41.4% | 29.3% |
| Ⅳ | 6.7% | 3.9% |
| 全平均 | 70.6% | 57.9% |
※生存率は院内がん登録の集計に基づく参考値であり、個々の予後を示すものではありません。
●生存率を見る際のポイント
がん専門病院の生存率は、患者構成(進行度・年齢・併存疾患など)の違いに大きく影響されます。
特に紹介患者の多い高次医療機関では、進行例や難治例の割合が高くなる傾向があり、単純比較には注意が必要です。
本ページでは、公開データの理解補助を目的として整理しています。
胃がんのステージ別生存率の傾向について
胃がんの生存率は、診断時のステージに加えて、腫瘍の深達度、リンパ節転移の有無、全身状態など複数の要因によって大きく左右されることが知られています。
近年は内視鏡検診の普及により早期胃がんの発見割合が増加し、内視鏡的切除や低侵襲手術の進歩によって治療成績は全体として改善傾向にあります。
一方、胃がんは進行すると腹膜播種や肝転移など特有の転移様式をとることがあり、同じステージ表記でも臨床経過や治療戦略が大きく異なる点が特徴です。
治療面では、内視鏡治療、外科手術、周術期化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬など選択肢が拡大しており、病期と患者背景に応じた個別化治療が進んでいます。
また、胃切除後の食事量の変化や体重減少、ダンピング症候群など、治療後の生活への影響を強く意識する患者が多い点も胃がん特有の課題です。
ステージ別生存率はこうした治療選択を考える際の重要な公表指標の一つですが、本ページの数値は院内がん登録に基づく集団統計であり、個々の経過を直接示すものではありません。
ご自身の状況は主治医の評価と併せてご確認ください。
胃がんステージ1について
胃がんステージ1は、がんが胃壁の比較的浅い層にとどまり、リンパ節転移を伴わない、または極めて限定的な早期段階に位置づけられます。
院内がん登録の集計でも非常に高い生存率が報告されており、適切な局所治療により根治が期待できる集団とされています。
この段階では、病変の大きさや組織型など一定の条件を満たす場合、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などの内視鏡治療のみで治療が完結するケースもあります。
外科手術が選択される場合でも、腹腔鏡下手術やロボット支援手術の普及により、身体的負担の軽減が図られています。
術後補助化学療法が必要となるケースは多くありませんが、病理結果によっては追加治療や慎重な経過観察が検討されます。
長期予後は良好とされる一方、異時性多発がんのリスク管理の観点から、術後の定期的な内視鏡フォローが重要とされています。
胃がんステージ2について
胃がんステージ2は、腫瘍の深達度が進む、あるいはリンパ節転移が限局的に認められる段階で、根治切除が可能な進行胃がんの初期群に位置づけられます。
院内がん登録の生存率データでは依然として高い水準が示されていますが、再発予防を見据えた集学的治療の重要性が高まるステージでもあります。
標準治療は外科的切除に加え、術後補助化学療法が検討されることが多く、再発高リスク例では治療強度の調整が行われます。
近年は周術期化学療法の位置づけも整理され、腫瘍進展度や患者体力を踏まえた治療戦略の個別化が進んでいます。
また、胃切除後は食事摂取量の低下や体重減少、栄養管理の課題が生じやすく、治療後の生活設計を含めた支援が重要になります。
多くの症例で根治が期待できる一方、術後数年間は腹膜再発や肝転移の早期発見を目的とした計画的フォローアップが推奨されます。
胃がんステージ3について
胃がんステージ3は、リンパ節転移が広範に及ぶ、あるいは腫瘍が胃壁外へ進展する局所進行期に分類されます。
この段階では手術単独では再発リスクが一定程度残るため、周術期化学療法を含めた集学的治療が治療成績向上の鍵となります。
院内がん登録の集計でも、術後補助化学療法の標準化以降、生存率の改善傾向が報告されています。
近年は術前化学療法の適応検討や、HER2陽性例への分子標的治療など、腫瘍生物学的特徴を踏まえた治療選択も進んでいます。
胃がんでは腹膜再発の頻度が比較的高い点が特徴であり、術後フォローでは画像検査に加えて症状変化への注意も重要になります。
治療期間が長期化するケースも多く、栄養管理や就労継続支援を含めた包括的な患者支援が求められます。
胃がんステージ4について
胃がんステージ4は、肝臓、腹膜、遠隔リンパ節などへの転移を伴う状態を指し、治療の基本方針は全身療法による病勢コントロールと生活の質の維持に置かれます。
院内がん登録の集計では他ステージと比較して生存率は低下しますが、近年は治療選択肢の拡大により生存期間の延長が報告されています。
薬物療法では、フッ化ピリミジン系抗がん剤を基盤に、HER2陽性例に対する分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などが組み合わされ、腫瘍特性に応じた治療選択が一般化しています。
また、限局した転移に対しては症例を選んで外科的切除や局所療法が検討される場合もあります。
治療は長期の外来管理となることが多く、栄養状態の維持、症状緩和、生活との両立支援が極めて重要になります。
ステージ4であっても治療反応により病勢を一定期間コントロールできる症例が存在する点は、近年の重要な変化の一つです。
まとめ
胃がんの生存率は診断時のステージによって大きく異なりますが、内視鏡治療の進歩、低侵襲手術の普及、周術期化学療法や分子標的治療の導入により、各ステージで治療成績の改善が報告されています。
特に胃がんでは、腫瘍の深達度、リンパ節転移範囲、腹膜播種の有無、栄養状態、年齢や併存疾患など、多面的な要素が予後に影響する点が特徴です。
また、胃切除後の生活の質や栄養管理も治療選択を考える上で重要な要素となります。
生存率は公表された集団統計に基づく指標であり、個々の見通しは病理結果や治療内容、全身状態によって大きく変動します。
治療方針の検討にあたっては数値のみで判断するのではなく、専門医との十分な相談を通じて総合的に理解することが重要です。
本ページが公開データを読み解く際の参考情報となれば幸いです。
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■名医に診てもらうための道程(近道)
癌の名医に「病院・医師選びのポイント」と「名医に診てもらう方法(どういうルートで先生のところに患者が来るのか)」をヒアリングしましたので、ご興味のある方はご覧ください。
●がんの名医に教えて頂いた「病院・医者選びのポイント」
●がんの名医に教えて頂いた「名医に診てもらう方法」
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