本ページでは、日本国内のがん診療病院における腎臓がん(腎細胞がん)のステージ別生存率について、国立がん研究センターが公表している院内がん登録生存率の全国集計データをもとに整理しています。
腎臓がんは、腎臓の尿細管上皮から発生する腫瘍で、腎細胞がん(Renal Cell Carcinoma)が大部分を占めます。
近年は、健康診断や画像検査(CT・超音波)で偶然発見されるケースも多く、症状が出る前に見つかる「偶発腎がん」が増えていることが特徴です。
一方で、腎臓がんは進行すると、肺、骨、肝臓、脳などへ転移することがあり、進行度によって予後が大きく異なることが知られています。
また腎臓がんの予後は
・診断時のステージ
・腫瘍の大きさ
・手術が可能かどうか
・遠隔転移の有無
・再発後の治療
などによって大きく変わります。
ここでは
・ステージ別の5年生存率・10年生存率
・進行腎臓がん(ステージⅢ・Ⅳ)の予後
・手術の有無による生存率の違い
・転移を伴う腎臓がんの治療
・免疫療法や分子標的薬など近年の薬物療法の進歩
などを整理し、公開されている統計データを理解するための参考資料としてまとめています。
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腎臓がんステージ別生存率(全国集計)
下記は、院内がん登録の公表データをもとに整理した腎臓がんのステージ別生存率です。
生存率データには、ネット・サバイバル(純生存率)の数値を掲載しています。
| stage | 5年生存率 (2015年診断) | 10年生存率 (2012年診断) |
| Ⅰ | 95.0% | 83.6% |
| Ⅱ | 87.6% | 73.7% |
| Ⅲ | 77.5% | 53.5% |
| Ⅳ | 18.5% | 8.4% |
| 全平均 | 81.9% | 67.9% |
出典:国立がん研究センター「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」
※がん種および診断年を選択して表示される全国集計データをもとに整理しています。
※生存率は院内がん登録の集計に基づく参考値であり、個々の予後を示すものではありません。
●生存率を見る際のポイント
腎臓がんの生存率を理解する際には、腫瘍の大きさや転移の有無が重要なポイントになります。
腎臓がんは比較的ゆっくり進行することも多く、腫瘍が腎臓に限局している場合には手術による治癒が期待できる腫瘍です。
一方で、次のような要因が予後に影響します。
・腫瘍の大きさ
・リンパ節転移
・遠隔転移
・腫瘍の悪性度
特に遠隔転移がある場合には、治療の中心が薬物療法となることが多くなります。
腎臓がんの余命・平均余命について
腎臓がんと診断された際、「余命」や「どのくらい生きられるのか」を気にされる方は少なくありません。
しかし医療現場では、個々の患者に対して「余命〇年」と断定する形で説明されることは一般的ではありません。
腫瘍の広がりや転移の有無、手術の可否、薬物療法の効果などによって経過が大きく変わるためです。
院内がん登録の全国集計では、腎臓がんの5年生存率は
・ステージⅠ:約95%
・ステージⅡ:約88%
・ステージⅢ:約78%
・ステージⅣ:約19%
と報告されています。
この数値からも分かるように、腎臓に限局した段階で発見された場合には高い治癒率が期待できる一方、転移を伴う場合には治療が難しくなる傾向があります。
腎臓がんのステージ別生存率の傾向について
腎臓がんのステージは、腫瘍の大きさや周囲臓器への浸潤、リンパ節転移、遠隔転移などをもとに分類されます。
治療の基本は
・手術(腎部分切除術・腎摘除術)
・薬物療法
・放射線治療
などを組み合わせた治療です。
腎臓がんでは、手術による腫瘍の完全切除が予後に大きく関係することが知られています。
近年では
・分子標的薬
・免疫チェックポイント阻害薬
などの薬物療法が導入され、転移を伴う腎臓がんの治療成績も改善してきています。
腎臓がんステージ1について
ステージ1は、腫瘍が腎臓に限局している段階です。
治療では
・腎部分切除術
・腎摘除術
などの手術治療が中心となります。
院内がん登録の全国集計では、ステージⅠの5年生存率は95.0%と報告されています。
腎臓がんステージ2について
ステージ2は、腫瘍が大きくなっているものの、腎臓の外へは広がっていない段階です。
治療では
・腎摘除術
・リンパ節郭清
などの手術が行われることがあります。
院内がん登録の全国集計では、ステージⅡの5年生存率は87.6%となっています。
腎臓がんステージ3について
ステージ3は、腎静脈や周囲組織への浸潤、リンパ節転移などを伴う進行段階です。
この段階でも、手術が可能な場合には腫瘍切除が行われることがあります。
院内がん登録の全国集計では、ステージⅢの5年生存率は77.5%と報告されています。
腎臓がんステージ4について
ステージ4は、肺や骨などへの遠隔転移を伴う進行段階です。
治療では
・分子標的薬
・免疫チェックポイント阻害薬
・放射線治療
などを組み合わせながら病状のコントロールを目指す治療が行われます。
院内がん登録の全国集計では、ステージⅣの5年生存率は18.5%、10年生存率は8.4%と報告されています。
再発と長期生存について
腎臓がんは、手術後に再発する可能性がある腫瘍として知られています。
再発は、肺、骨、肝臓、リンパ節などに生じることがあります。
そのため、手術後は
・CT検査
・血液検査
・画像検査
などによる定期的な経過観察が行われます。
近年は、免疫療法や分子標的薬などの薬物療法の進歩により、再発後の治療選択肢も広がっています。
まとめ
国立がん研究センターの院内がん登録全国集計では、腎臓がんの予後は診断時のステージによって大きく異なることが示されています。
腎臓に限局した早期段階では手術による根治が期待できる一方、転移を伴う場合には薬物療法を中心とした治療が行われます。
生存率は集団統計に基づく指標であり、実際の経過は患者ごとの病状や治療内容によって異なります。
具体的な治療方針や見通しについては、主治医の説明を踏まえて理解することが重要です。
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