本ページでは、日本国内のがん診療病院における子宮体がんのステージ別生存率について、国立がん研究センターが公表している院内がん登録生存率の全国集計データをもとに整理しています。
子宮体がんは、子宮の入口に発生する子宮頸がんとは異なる腫瘍であり、発生部位や原因、患者の年齢層、治療方法などに違いがあります。
・発生部位
・主な原因
・患者の年齢層
・治療方法
などが大きく異なります。
子宮頸がんがHPV感染と関係することが多いのに対し、子宮体がんはエストロゲンの影響を受けるホルモン関連腫瘍として発症することが多く、閉経後の女性に多くみられる点が特徴です。
また子宮体がんでは、不正出血などの症状をきっかけに比較的早期に発見されるケースも多く、早期段階では高い治癒率が期待できるがんとされています。
一方で、子宮体がんの予後は
・診断時のステージ
・手術で腫瘍をどこまで切除できるか(完全切除)
・腫瘍の組織型・グレード
・リンパ節転移の有無
・再発後の治療
などによって大きく変わることが知られています。
ここでは
・ステージ別の5年生存率・10年生存率
・進行子宮体がん(ステージⅢ・Ⅳ)の予後
・組織型やグレードによる予後の違い
・再発のリスクと長期予後
・免疫療法など近年の薬物療法の進歩
などを整理し、公開されている統計データを理解するための参考資料としてまとめています。
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子宮体がんステージ別生存率(全国集計)
下記は、院内がん登録の公表データをもとに整理した子宮体がんのステージ別生存率です。
生存率データには、ネット・サバイバル(純生存率)の数値を掲載しています。
| stage | 5年生存率 (2015年診断) | 10年生存率 (2012年診断) |
| Ⅰ | 94.6% | 92.0% |
| Ⅱ | 86.8% | 78.6% |
| Ⅲ | 65.5% | 61.9% |
| Ⅳ | 21.3% | 18.0% |
| 全平均 | 82.8% | 80.5% |
出典:国立がん研究センター「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」
※がん種および診断年を選択して表示される全国集計データをもとに整理しています。
※生存率は院内がん登録の集計に基づく参考値であり、個々の予後を示すものではありません。
●生存率を見る際のポイント
子宮体がんの生存率を理解する際には、組織型や腫瘍のグレードが予後に大きく影響する点を知っておく必要があります。
子宮体がんの多くは類内膜腺がん(エンドメトリオイド型)ですが、
・漿液性がん
・明細胞がん
などのタイプは進行が早い場合があり、予後が異なることが知られています。
また、腫瘍のグレード(分化度)も重要な要因です。
グレードが高いほど腫瘍の悪性度が高く、再発のリスクが高い傾向があります。
さらに子宮体がんでは、リンパ節転移、腹膜への播種、腫瘍の広がりなどが予後を左右する要因として挙げられます。
子宮体がんの余命・平均余命について
子宮体がんと診断された際、「余命」や「どのくらい生きられるのか」を気にされる方は少なくありません。
しかし医療現場では、個々の患者に対して「余命〇年」と断定する形で説明されることは一般的ではありません。
治療方法や腫瘍の広がり、年齢、合併症などによって経過が大きく変わるためです。
院内がん登録の全国集計では、子宮体がんの5年生存率は
・ステージⅠ:約95%
・ステージⅡ:約87%
・ステージⅢ:約66%
・ステージⅣ:約21%
と報告されています。
この数値からも分かるように、早期段階で発見された場合には高い治癒率が期待される一方、進行した状態では治療が難しくなる傾向があります。
子宮体がんのステージ別生存率の傾向について
子宮体がんのステージは、腫瘍の広がりやリンパ節転移の状況などをもとに分類されます。
治療の基本は
・手術(子宮全摘術+付属器切除)
・リンパ節郭清
・術後補助療法(化学療法・放射線治療)
などを組み合わせた治療です。
子宮体がんでは、手術による完全切除が予後に大きく関係することが知られています。
近年では、再発や進行子宮体がんに対して、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬などの薬物療法が導入され、治療の選択肢が広がっています。
子宮体がんステージ1について
ステージ1は、腫瘍が子宮体部に限局している段階です。
治療では
・子宮全摘術
・両側卵巣卵管切除
・リンパ節郭清
などの手術治療が行われることが一般的です。
院内がん登録の全国集計では、ステージⅠの5年生存率は94.6%と報告されています。
子宮体がんステージ2について
ステージ2は、腫瘍が子宮頸部の間質にまで広がっている段階です。
治療では
・子宮全摘術
・リンパ節郭清
・術後補助療法
などが選択されます。
院内がん登録の全国集計では、ステージⅡの5年生存率は86.8%となっています。
子宮体がんステージ3について
ステージ3は、骨盤内やリンパ節へ腫瘍が広がっている進行段階です。
この段階では
・手術
・化学療法
・放射線治療
などを組み合わせた集学的治療が行われます。
院内がん登録の全国集計では、ステージⅢの5年生存率は65.5%と報告されています。
子宮体がんステージ4について
ステージ4は、膀胱や腸管への浸潤、あるいは遠隔転移を伴う進行段階です。
治療では
・化学療法
・免疫療法
・放射線治療
などを組み合わせながら、病状のコントロールを目指す治療が行われます。
院内がん登録の全国集計では、ステージⅣの5年生存率は21.3%、10年生存率は18.0%と報告されています。
再発と長期生存について
子宮体がんは、治療後に再発する可能性がある腫瘍として知られています。
再発は
・骨盤内
・リンパ節
・肺
・腹膜
などに生じることがあります。
近年は、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬などの治療が導入され、再発後の治療選択肢も広がっています。
まとめ
国立がん研究センターの院内がん登録全国集計では、子宮体がんの予後は診断時のステージによって大きく異なることが示されています。
特に子宮体がんは、不正出血などの症状をきっかけに比較的早期に発見されることも多く、早期段階では手術による根治が期待できるケースが少なくありません。
一方で、進行した段階ではリンパ節転移や腹腔内への広がりなどが予後に影響することがあり、治療では手術に加えて化学療法や放射線治療、近年では免疫療法などが組み合わされる場合があります。
生存率はあくまで集団統計に基づく指標であり、実際の経過は患者ごとの病状や治療内容によって異なります。
具体的な治療方針や見通しについては、主治医の説明を踏まえて理解することが重要です。
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